【印象的な夢8】輪廻転生の仕組みと魂の学びを教わる

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    ※前回のあらすじ

    本来ならば、私に対してお兄さんがやるべき「魂の課題」というものを、お兄さんがそれを拒否してしまい、そしてあろうことか、その課題を代わりにやってくれないかと頼みこまれた先輩女性。しかしながら、そのような大きな課題をとても引き受けることはできないと困惑の表情を浮かべる先輩女性だが、果たしてこの行方はどうなってしまうのだろうか…。

     

    Scene 5 「だれかがそれをやらなければなりません」 − 魂の宿命と覚悟
    私は個人的には無宗派であるが、小学生の時に般若心経を覚えたのち、観音経にも興味を持ち始めて勉強したことをきっかけに、本屋でふと目にした仏教関連の本を手に取って読んだりと、その頃から周りとはだいぶ変わった小学生時代を送っていた。

     

    また、歎異抄の内容について解説をしていたテレビ番組を観て「わかるわかる!」と共感したり、親鸞聖人の掛け軸を見て「あれ?…なんとなく知っている」などと、特に意識はしていないのだが、隠れ要素とも言える仏教的身上があることに自分でも気がついていた。


    そういったいきさつを含めて、知らず知らずのうちに仏教観についての知識が蓄えられたのかもしれないが、「人間の死後」のことから来世を含む「輪廻転生」などについて、私自身としてはすでに一般的な通説としての知識を身につけていたので戸惑うことはなかったが、「お兄さんの魂が本来のやるべき使命を拒んだ」などという、思いもよらない話についてはさすがに理解に苦しんだ。

     

    そんな、心の整理がつかない私に対して、先輩女性は続けてこのように話し出した。

     

    先輩女性「もちろん断固として拒否しました。この私に、そのような

         役目を果たすことはできないからです。私だって、あなた

         に対してつらい仕打ちをすることはやりたくありません。

         しかしそれでも、お兄さんはどうしても私にやってくれと、

         何度も頼み込んできたのです」

     

    ここまでの会話をずっと聞いていて思ったことは、前述したようにいかに「夢の中」という自由な世界空間であるとはいえ、「生まれ変わり」や「過去世の関係」などの話について、先輩女性が突然語り出したことについてはさすがに衝撃的な内容だったが、幸いにしてこれらの話は決して難しく聞こえたわけではなく、言葉使いも平易的であり、筋道を立てて話をしてくれたので理解するのに時間はかからなかった。


    しかし、後輩である私に対して、なぜ全て敬語を使って話をしてくるのだろうか。以前の職場では、私が心を痛めるほど嫌味なことを言っていたにもかかわらず、夢の中ではまるで別人ではないか。驚きというよりは、むしろその変貌ぶりの方に呆気にとられてしまっていたほどである。

     

    逆に、そういった別人に感じてしまうほどの印象的な夢であったおかげなのか、この夢を見てから今となってはもう20年以上もの時が経過しているわけだが、今でもその時の夢の内容をかなり鮮明に思い出すことができ、会話の内容もそのほとんどを覚えているのである。

    先輩女性「あなたが学ぶためにはどうしても必要なことなので、だれ

         かがそれをやらなければなりません…。そして仕方なく、

         私がその役目を引き受けることになったのです」

     

    この私自身が学ぶためにはどうしても必要なことであり、そしてそれをだれかがやらなければならないこと…。先輩女性は間違いなくそのように語ったのである。


    この言葉を聞いた時に感じたことは、「すでにそのように決まっている」ことなので、それをやらなければならないことになっているとでも言わんばかりに、魂の法則上で決定されていることなので変えることができず、やむを得ず、覚悟を決めてそれに臨む、という決心した気持ちが伝わってきた。


    ここから先、先輩女性は口を一切開くことはなかった。言葉で私に伝えることはせず、テレパシーのようなもので、「だから、あなたが毎日思い悩むほどの、嫌味とも思えることをやることになったのです」というものが、「心の声」として伝わってきた。


    そういうことだったのか。そういう意味が隠されていたのか…。そのため、私に対していつもあのようなきつい態度をとっていたのか……。まさか夢の中で、事の真相を聞かされることになろうとは思いもよらなかった。


    先輩女性は、その後も無言のまま私をしばらく見つめていた。一方、お兄さんは相変わらず少しうつむいたままであり、終始、これと言って何も語ることはなかった。それから二人は、周囲に広がるやさしい桃色の空間に溶け込むように、ゆっくりと消え去って行った。

     

    そして私は、今の出来事がまるで夢とは思えない、本当に起こった現実であるかのごとく、そのありありとした余韻を残しながら、静かに目覚めたのであった。

     

    ※あとがきに続く

     


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