137回の前世を持つ少女

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ヒプノセラピストである中野日出美さん著『前世療法 137回の前世を持つ少女』のご紹介です。

中野先生は、日本人初の国際催眠連盟認定マスター・インストラクター資格を含め、その他にも数多くの認定資格をお持ちの方で、これまでに1000件を超えるセッション経験があり、たくさんのクライアントから支持を受けています。現在は、カウンセリングスクールの代表も務められています。

私がこの本と出会ったのは、今から数年前の、ちょうど自分の前世について興味がある頃でした。

今ここに生きている自分は、実は今よりももっと昔の時代に、どこかの国でも生きていた自分がいる・・・。そうやって何回も、そして何十回も輪廻転生を繰り返しながら、今の自分がいる・・・。

そんなことが本当にあるのだろうか、自分の前世ってなんだろうかと、それに興味を持ちだして追究してみようとした時に、この本が目にとまったのです。

早速この本を購入して読んでみると、そこには今まで自分が漠然として捉えていた前世や過去世と言われるものを、根底からくつがえす真実が綴られていたのです。

 

前世療法-魂の記憶にアクセスして問題を解決する

中野先生が行う「ヒプノセラピー」とは、訳すると「催眠療法」と呼ばれており、心の奥に眠る潜在意識に働きかけて、その人が抱える問題などを解消する手法の1つです。

さらに、その問題の原因となっているものは何なのか、苦しみを引き起こしているものはどこにあるのかということを、現在の置かれている状況だけに限らず、クライアントを深いトランス状態へと誘導し、その問題の起因を前世からも探って解決に導く療法ともされています。

前世にさかのぼって問題解決の糸口を探る・・・。そこには、今を生きる私たちにとって、大変重要なものが隠されているということなのですね。そんなヒプノセラピーを、私も一度は受けてみたくなりました。

 

幾多の「生」と「死」を乗り越えて

中野先生が、ある1人の少女にセッションを行ったのは、その少女がまだ中学生の時で、まるで陶器のような滑らかな肌をした美しい女の子だったそうです。

真面目で学校の成績もトップクラス、生徒会の役員も務めるなど、周りからも信頼されていました。

特にこれといって問題があるようには見えない少女が、中野先生とのセッションを重ねるうちに、実に137回にも及ぶ前世を語り出したのです。

本書は、その137回分の前世が全て収録されているわけではありませんが、第1章~第11章に分けられ、それぞれで少女が過去の時代に体験した「生」「死」の記録が克明に綴られています。

 

鮮明に前世を語り出す少女

少女が記憶の中から語り出す前世は、まるで今しがた、その現実をその場で体験してきたかのように、読み手にもその情景がよく伝わってくるほどリアルでかつ鮮明に描写されています。その一部をご紹介します。

●幸せを突然壊されて、死にゆく自分の姿を垣間見る

とある集落で、家族と共に幸せに暮らしていた時代を思い出した少女は、ある日突然、別の集落の者たちが攻め込んできて目の前で父と母を切り殺され、その血しぶきを浴びた凄惨な状況を話し出します。その後に洞窟に閉じ込められ、飢えと渇きによって衰弱し、息絶えた自分自身の姿までもが見えてきたのです。

そして・・・「光に包まれた誰かが私に話しかけています」と、ハイヤーセルフからの助言を賜ります。その助言の中で、人間は迫害されたり、また迫害したりを繰り返しながら悲しみや罪を学び、1つずつ課題を乗り越えて魂は成長していくということを教わるのです。

 

●1つの魂が2つに分裂した!? 数奇な運命を背負う男女

平安時代の貴族の娘として生まれた時代では、特に何の不自由もない生活を送っていました。ある日、家に男の人がやってきました。どうやら縁組の話のようで、その男性と結婚することになりました。

「それが…実は不思議なんですけれど、彼も私なんです…」

彼も・・・私!? 謎めいた言葉を話す少女。その後、夫婦生活を営む2人に亀裂が入る出来事が起こってしまい、挙句の果てには、夫が妻の首を絞めて殺害してしまうのです。

この悲しい結末の意味は、「もともとは1つの魂から2つに分割して生まれてくることによって、殺す側と殺される側の両方を学ぶ」という教えが含まれていることを悟るのです。

こういった深い魂の仕組みを、中学生の女子が目の前で整然と話す様子に、さすがの中野先生も驚きを隠せなかったそうです。

 

私たちが生まれてくる意味とは何か

私が大変興味深いと思った部分は、少女が語った前世や過去世の記憶だけでなく、どうしてそのような境遇に陥ったのか、そしてこの人生で学ぶべきことは何だったのかという人生の本質的な部分をはじめ、それについてのハイヤーセルフからの助言までもが、少女の口から直接語られているということです。

この事実は、単なる「記憶の掘り起こし」で終わるような話ではなく、過去の幾多の人生を歩んだ中から、そこに意図する〝魂の使命〟そのものが読み取れるということでもあるのです。

ハイヤーセルフが少女に向けたメッセージではあったとしても、その内容を読み手である自分自身にも置き換えることができ、それによってこの上ないほど深いアドバイスをいただけたことに、とても感動することができました。

そんな深遠で尊い教えが含まれた本書は「生きるための道しるべ」となって、多くの方々をきっと導いてくれるに違いありません。

少女の中に眠る「魂」が語った生と死の真実の物語-。あなたも、その1ページをそっとめくってみてはいかがでしょうか。

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