【印象的な夢8】輪廻転生の仕組みと魂の学びを教わる4

※前回のあらすじ
ふと気がつくと、淡い桃色の空気感が漂った優しい雰囲気の場所に、何をするでもなく私はポツンと立っていたのだが、次の瞬間、目の前には忘れるはずもないあの先輩女性が、見知らぬ男性と共に立っていたのだった。奇妙な夢の中での再会を果たした私たちだが、これはまだ、これから語られる驚くべき真実の序章にすぎないものだった。

Scene 3 ついに口を開いた先輩女性 − 輪廻転生の仕組みを語り始める
そして、この緊張と沈黙の場を打ち破るかのように、先輩女性がこのように語り出した。

先輩女性「この方は、私のお兄さんです」

先輩女性にお兄さんがいたということはこれまでに聞いたことはなく、それどころか、私と先輩女性が日常的に身内話や世間話をすることすら全くなかったので、兄がいようが弟がいようが私自身には何ら関係のないことであり、特に気にすることもなくその言葉を聞いていた。

ただ、これは感覚的な部分になるが、このお兄さんという男性は、現実に兄妹として実在する兄という感じではなく、どちらかというと「魂の次元」に存在している兄であるというものが伝わってきた。そして、先輩女性は続けてこう話し出した。

先輩女性「あなたと私のお兄さんは、昔、同じ時代で生きていました」

私  「……え!?」

いきなり何を言い出すのかと思えば、私とお兄さんは昔、同じ時代に生きていたというではないか。昔?しかも同じ時代に?

ここで思ったことは、この「昔」という言葉は、いわゆる「過去世」において同じ時代に生きていた、という意味であることは理解することができた。

しかしそうは言われても、私はこのお兄さんと過去にお会いしたという記憶はなく、例え過去世の同じ時代に生きていたことがあったとしても、これと言って何かを思い出すことも一切なく、この時が初対面であるという印象に変わりはなかった。

先輩女性「その時代では、あなたが上の立場にあり、お兄さんはその
     下で働くいわば部下という立場でした」

これまでの【不思議体験記】シリーズでもご紹介したように、私は子供の頃から現在に至るまで、世間一般からするとちょっと変わった不思議な現象というものについて体験があり、そのせいもあって「不思議系」や「超常現象」等々、こういった分野については非常に興味を持っている。

この当時の私も、霊的現象や精神世界について、それに関連する書籍を何冊も読んでいたこともあり、先輩女性が突如として言い出した過去世の話についてもある程度の理解を得ることができたため、困惑はしなかった。

先輩女性「あなたは権力的立場にあったため、多くの人たちを使って
     いました。その中で、特にお兄さんに対しては、とてもひ
     どい仕打ちをしていました。非常に厳しい言葉を毎日のよ
     うに…。そのため、お兄さんは精神的にも肉体的にも疲れ
     切ってしまったのです」

不思議なことにこの言葉を聞いた瞬間、私の目の前には急に広い場所が現れ、白い衣装をまとった大勢の人たちが、熱心に仕事に従事している姿が浮かび上がった。そこの場所がどこなのかは正確には特定できないが、その情景から判断すると、中東・アフリカ諸国を思わせる地域だと感じた。特に男性の従事者が多く、私は高い位置からその者たちを眺めている様子が見て取れた。

先輩女性「しかし、お兄さんはそのことであなたを責めるつもりはな
     いと言っています。その時代にあなたと生まれて、あなた
     のもとで働くということを、お兄さんが決めたからです。
     学ぶためには、苦しい人生も必要だからです」

私とお兄さんは、その時代に共に生まれて、私のもとで働くということを、お兄さん自身が計画して生まれて行った、ということを語り出したのだ。

つまり、お兄さんは自分自身で人生の計画をし、その人生でどのような境遇に遭うのかを(魂自身が)あらかじめ知っていた、ということであり、私からひどい仕打ちをされたとしても、学ぶためには苦しい人生も必要なことであるため、この私を責めるつもりはない、ということであった。

先輩女性「そして、今度の人生では立場を変えて、お兄さんが上の立
     場となり、あなたが下となって人生を生きることになって
     いたのです。それが必要だからです」

次に生まれ変わる人生(来世)では、立場を入れかえて逆の境遇に身を置くことにより、相手がいかに苦しい思いをしていたか、そしてその立場がいかにつらいものだったのかなど、想像の及ばない過酷な出来事を今度は自分自身が経験することによって魂がますます磨かれ、そこから大いなる学びを得ることができる。

このような修行を繰り返すことによって、よく言われる「カルマの解消」ということのみならず、人間としてお互いに関わり合いを持ちながら切磋琢磨し、そして魂同士が学びを重ね合って自らの魂の格を上げることが輪廻転生の仕組みであり、愛や慈悲を体現して光輝く存在になるということが、魂の究極の使命であるとも言えるだろう。まさに、これが一つの「定説」そのものであろうと考えられている。

ここまでの話の流れについては、自分なりにある程度理解しながら内容を聞いていたのだが、しかしここから、少し事態が変わる展開が訪れたのだった。

※Scene4に続く

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