【不思議体験記28】懐かしい記憶が蘇った古刹 鑁阿寺part2

〜前回のあらすじ〜
お世話になっている先生から、栃木の足利学校へ一緒に研修会へ行かないかい?と誘われ、私も参加させていただくこととなった。日本最古の学校と言われるだけあって、その厳粛なる雰囲気を肌で感じることができた。その後、隣接するお寺を見学した際に、私の身に予想外のことが起こったのである。

◎このお寺……知っている!
足利学校から道路の向かい側に出ると、立派な楼門が見えてきた。そこには看板が立てられており、「鑁阿寺(ばんなじ)」と書かれていた。

初めは、この字を何と読むのわからなかったが、鑁阿寺の「鑁」という難しい字が、何となくどこかで見覚えがあるような…と心の中で少し気になり、その後に「ばんなじ」と読むことがわかったまさにその時、まるで脳の奥から何かが湧き出てくるかのように、ある記憶がよみがえってきた。

私「このお寺……知っている!」

当然のことながら、鑁阿寺というお寺を初めて見るばかりでなく、名前をどう読んでいいかもわからず、いやそれどころか今日初めてこの場所を訪れたにもかかわらず、「このお寺を知っている」などという感覚が急に脳裏をよぎったことには大きな衝撃が走った。

少し説明が難しいが、例えばこれは雑誌やテレビなどで紹介されていたものを、何気なく「どこかで見たことがある」というような単純なものではなく、実際には今日初めて来たけれども、実はずっと遠い昔の時代にもここを訪れたことがあると言えるような、かつて経験した記憶が潮流となってあふれ出てくるような感覚だったのである。

楼門の手前には堀がめぐらされているのだが、この堀を見た時に、さらに記憶がよみがえってきた。

私「ここの堀を(楼門に向かって左側の堀を)眺めていたことがある!」

不思議なことに、楼門に向かって左側の堀の一部が視界に入った時に、「以前にこの堀の付近に立っていた」という記憶がよみがえり、この堀を眺めていた自分がいたことを思い出したのである!

ただ、この記憶は断片的なもので静止画を見ているようなものであり、もっと詳しい具体的な状況はどんなものだったのかまでを知るには至らなかった。

下が鑁阿寺の楼門。この門の両側には堀があるが、なぜか向かって左側の堀を眺めていた自分が過去にいたことを思い出した。

先を行く会員御一同はすでに楼門をくぐり、本堂の方へとまっすぐ進んで行く中で、私はその後方で一人、「この懐かしい感覚は一体何なんだ!?」と、心の中で驚嘆していた(笑)。

◎本堂の内部が…⁉
しかし、驚いてばかりでは日が暮れてしまうので、会員御一同の後を急ぎ足で追いかけてようやく本堂までたどり着くと、多くの参拝者で行列ができていたが、その行列を見た時に、またここでも懐かしい記憶がよみがえってきたのである。

私「あの中(本堂の中)に入ったことがある!中に入って拝んだ(祈祷した)
ことがある!ああ、でも普通の参拝者は中には入れないのか」

あの中に入ったことがある…!?

もちろんのこと、本堂を見るのが今日初めてであり、そして言うまでもなく、中に入ったことなどあるはずもない。なぜそのような思いが湧き起こったのか、自分でも全く理解することができなかった。

さらに驚いたことに、本堂の外観を斜めの角度からしばらく眺めていた時のことである。なんと、あろうことか本堂の内部の様子が、だんだんと透けて見えそうになってくるではないか!

「あれ!? 中が見えそうにな…」と、ここで一瞬目をつぶってしまったが、その後はもう内部の様子は見えなくなってしまった。

本堂正面。多くの参拝者でにぎわっていた。

本堂をこの角度から見た時に、あろうことか内部が透けて見えそうになった。

何なんだコレは…一体何が起こっているんだ?……と、まるで異次元ワールドにでもいざなわれたようだった。

※part3へ続く

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