実は正直なところ、私自身がこれまでに経験した不思議な出来事を綴る【不思議体験記】に、まさか私の家族の不思議な体験談を書くことになろうとは思ってもみなかったことである。
というのも、特に心霊体験やスピリチュアル系といった、どちらかというと「非日常」的なことについて、これまで家族で興味があったり話題になったりということは、私の知る限りでは(全く無かったとまでは言わないが)極めて少なかった、と言っても過言ではない。
そのため、家族の中では唯一「私だけ」が、こういった不思議な現象を特異的に体験しているのであろうと当たり前のように思いこんでおり、今までの数々の不思議な体験を、家族どころか周囲の友人知人にさえも公言することを避け、心の中にずっとしまい込んできた。
ところが、私としては考えにも及ばなかった、父や母、そして妹までもが、実はそれぞれが少なくとも心霊的およびスピリチュアル系の「謎」や「不思議」といった現象を、これまでに幾度か体験していたことが判明し、言うなれば私としては全くもって「予想外」とも言えるこの事態に、初めはとても困惑してしまった。
家族の不思議な体験を知るきっかけとなったのは、東日本大震災から3年以上が経過したあたりの、かなり落ちつきを取り戻してきた時期だっただろうか。家族での会話中に、昔の出来事についての思い出話をすることもあり、その話の時々に、これまで家族内ではほとんど語られてこなかったスピリチュアル系の話を、ふいに口に出すようになってきたのである。
当初はかなり戸惑っていた私だが、しかしその話を聞いているうちに「…まてよ、これって意外におもしろいかもしれないな」と考えが徐々に変わり、また同じ「不思議体験」という部類の話でもあり、そして実際に私が聞き取りをした内容でもあるため、ここまでのものならば書き綴っておこうかという思いになり、掲載することにした。
まずは、父の体験談からである。
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